Astell&Kern AK T8iE MkIIはセイレーンの歌声のように僕を惑わす

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ベイヤーダイナミック/アイリバーの高級イヤホン、Astell&Kern AK T8iE Mk2。まさか自分が買うことになるとは....


その日「そういえばハイレゾプレーヤーXDP-100Rを買ってからも、イヤホンはずっとSHURE SE215のままだな。もう少し良いイヤホンにしたいな。」と思い立ち、家族との買い物ついでにオーディオショップへ。以前から興味のあった、ゼンハイザーIE80SとシュアーSE535を聴き比べました。(詳しい方はここで、ん?となると思いますが、この2機種、T8iE MkIIとは価格帯が全く違います。今年発売されたbeyerdynamic XELENTO REMOTEという高級イヤホンの姉妹機です。)

ショップの人に聞いたら、自分のプレーヤーに繋いでもいいですよ、とのことだったので、ありがたく差し替えながら聴かせていただきました。音源は、弦楽器ソロ、コンチェルト、モダンジャズ、ボーカルを中心に。もちろんデジタルフィルターはSLOW

SENNHEISER IE80S


音場がしっかり再現され、空間の見通しがいい。中低域重視の自然で優しい音。低音増強用のネジがあるが、私はノーマル(=ゼロ)のままで不満なし。遮音性については、店内の騒音は多少聞こえ、その点ではSE215の方が優秀だが、特に不満の出るレベルではない。電車でも大丈夫そう。ちなみにIE60も横にあったので聞いてみたが、これもなかなか良い。音がちょっと軽めかな?程度の違い。

SHURE SE535


各楽器の音が明確できらびやか。低域から高域まで広く再現。音の粒だちがシャキッとした印象。私にとって残念だったのは音場の平坦さ。自分が円筒の中心にいて、円筒の内側にぐるりと綺麗な写真が表示されているような感覚。遮音性はSHUREだから言うことなし。今思えばSE846も聞いてみればよかったが、高いからという理由で試さず。

私はもともとダイナミック型の自然さが好きで、物量で高性能化を図るBA型には少々抵抗感があったので、おおよそ事前の予想通り。これで無事ゼンハイザーIE80Sに決まりです。

IRIVER Astell&Kern AK T8iE MkII


が、気がつくとその日以降、私の耳にはいつもAstell&Kern AK T8iE MkII。IE80Sを買う前にちょっとだけと、手に取ってしまい... 聴いてしまい... T8iEの音の衝撃に一瞬で心を奪われました。

深く豊かな低域、張りのある温かな中域、そして鮮やかな高域。完璧な音のバランスで極めてナチュラル(暖かさを感じる方向)、どこまでもシルキースムーズ。そして広い音場の再現性で、音が空間に満ちるというよりも、静寂の中に各楽器の音があるべき所にしなやかに広がる。もうこれ以上のものはないだろうとさえ思わせます(値段のことは聞かないでください)。

家でも外でも、どこでもこの音に包まれているのは至福としか言いようがありません。いつまでも聴いていたい、そんな音が紡ぎ出されます。まさにセイレーンの歌声に魅了されてしまった私。

今まで自宅では、SHURE SRH940という密閉型モニターヘッドホンを使っていましたが、あれ以来自宅でもT8iE MkII。SRH940が、繊細さに欠けるガサツな音にさえ聞こえてきました。ゴメン、SRH940!

SE215からワンランクアップのつもりが、急に3段階くらいアップして、いきなりプレミアムの世界に足を踏み入れてしまいました。値段が値段だけに、イヤホンはこれ以上は自重しますけど!

その他

  • 電車などの屋外では、当然SE215より遮音性は落ちますが、その状態でも音の違いは歴然で、より深く音楽が楽しめます。コンプライの遮音イヤーチップが同梱されているので、どうしてもノイズが気になる方は、そちらに付け替えるといいかも知れません。
  • ケーブルは耳の上にかけるシュアー掛け。ケーブルは、元祖シュアーの形状記憶タイプと違い、細くしなやかで自然に耳に沿って後ろに垂れます。ライブで動き回るわけではないので外れません。先日ちょっと駅まで走る羽目になりましたが、大丈夫でした。
  • XDP-100Rのデジタルフィルターの違いをT8iE MkIIでも比べてみたら、さらによく分かりました(ソースの選択もあるかもしれません)。SLOW: ベスト。それぞれの音源がきちんとストレートに、かつ分離して聞こえる。SHARP: SLOWを鈍らせた感じ。撥弦楽器を聞くとよく分かります。チェンバロなら立ち上がりの鋭さが消え、ウッドベースなら弦の振動よりも胴の響きの比率が増える感じ。SHORT: 音の立ち上がりは鋭いがその反動で余計な残響も増える。前も書きましたがやっぱり疑似サラウンド的。私はSLOWがベストですが、高域まで聞こえる若い人だと印象がちょっと違ってくるかもしれません。

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