HD6XX(DMaa) + Objective2×2 デュアルモノ接続にチャレンジ!

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Massdrop HD6XXのチューニングでDMaaのマイスターとメールをやり取りした際「今の構成ならデュアルモノにできますね」という一文がありました。


デュアルモノってなに?

ん?何それ?バランス駆動と違うの?と思い調べてみると「ヘッドフォンの左右を1個ずつのアンプで駆動すること」のようです。ステレオアンプを2台使った場合、アンプ1台のLch(またはRch)だけ使うことになり、L/Rのチャネルが電気的に干渉しなくなる代わり、半分の回路が無駄になるという、ある意味とても贅沢な使い方。ステレオアンプの片チャネルしか使わないのでバランス駆動ではなくシングルエンドのままですが、音源からヘッドホンまでの音の通り道が完全に分離されるので、左右チャネルのクロストークを大幅に減らす効果があるようです。

アンプをもう一個

普通だったらそんな贅沢なことはやらないのですが、たまたま私のヘッドフォンアンプはMassdrop Objective2 (以下O2)という1個1万円程度の品。これならもう1台足すのも何とか許容できそう。デュアルモノなるものを試してみたくなり、早速Massdropに発注です。(▶︎O2のサイトはこちら。時々売り出してはしばらくやめるの繰り返しなので、販売していなかったら、REQUESTのボタンでも押しておいて、気長に待ちましょう。何週間か何ヶ月かわかりませんが、忘れた頃に販売再開のメールが届くはず。)

ケーブルはどうする?

もう一つの問題が接続ケーブル。
  • [標準ステレオジャック]---[HD650用ヘッドフォンジャック]
という接続のケーブルが2本必要になりますが、もちろんこんな変なケーブルは売っていません。こちらはしょうがないので自作することにしました。自作には大きく分けて以下の2つの手があります。
  • HD650用の標準ケーブルを買ってアンプ側で切断し、そこのL/Rケーブルにそれぞれステレオジャックをつける。
  • 市販のステレオジャック、HD650用コネクタ、ヘッドフォン用ケーブル線材を買って自作する。
おそらく簡単なのは前者なのですが、なんだか切るのももったいないし、費用を計算したら手配先を工夫すれば後者の方がだいぶ安く上がりそうなので、自作してみることにしました。

初めてのHD6XX用ヘッドフォンケーブル自作

初心者ですから、製作方針はシンプル。
  • コストパフォーマンス最優先。
  • 高価なパーツは奢らない。
  • 電気的にしっかりしていれば良い。
です。まずはパーツ探しから始めました。

HD650用ヘッドフォンプラグ

これがないとどうしようもありませんが、こんなちっちゃな部品のくせに高い!とても買う気になれません。マニア向けだからなんでしょうね。
とても庶民では手が出ないので、eBayで香港の業者から入手しました。保証が大事な電化製品でもないので、海外でも構いません。安ければいいです。送料込みでも日本より大幅に安いというのは、何か日本のビジネスが間違っているのではないでしょうか?一見オヤイデと同じ品です。

ステレオミニプラグ

これは日本でも安価に手に入りました。ベーシックにAmazonで。

ケーブル

さて、ここまでは価格重視で比較的簡単に決まりましたが、問題はケーブル。一口にケーブルと言ってもいろいろなタイプや太さがあって、素人が初めて作る時には手がかりがなかなかありません。だいぶ迷いました。

①オヤイデ一押しのヘッドフォン用ケーブル
シールドもしてあるしなかなか良さそうです。ちなみにオヤイデにはオリジナルXLRケーブルを作ろうというコーナーがありますし、オヤイデの切り売りヘッドホンケーブルHPC-24W発売開始! というページでゼンハイザー用のケーブルの作り方も開設されているので参考になります。

②もっとシンプルなケーブルはないかな?
でも上のケーブルは、2芯の上にしっかりしたシールド付きなので、初心者には加工が面倒そう。見た目も太くてごついのでアンテナケーブルみたいでちょっと色気がない。こうなるとシールドなしのツイストペア(2本を単純に縒り合わせたケーブル)で十分じゃないの?という気もしてきます。普通のイヤホンのケーブルにはシールドがないものも多そうなので、ますますそんな気がしてきました。で、オヤイデのサイトを見回ると、使えそうな2対4編のケーブルがありました。
こっちの方がいいかもしれない。使えるならこっちにしたいな。デスクトップ用なので長さは1.2〜1.5mくらいですかね。でもケーブルの切り売りは1m単位。2m買って1.5mとると残りは50cm。これだとゴミにしかなりません。でも3m買って半分にすれば、1.5mが2本取れます。半分は将来また何かに使えそうで即ゴミになることはないでしょう。でも実際にはもう一本作ることはなさそうだしな...。うーむ...。

③1本のケーブルから自分でツイストペアケーブルを作る
そうだ、自分で編めば単線を6m買えばいい!値段も安くなるし!ということで、以下のケーブルを6m購入しました。
ケーブルを編んだことなどありませんが、多分単純作業でできるでしょう。ランニングシューズにヒモを通すのと似たようなもの?

熱収縮チューブ

あとは熱収縮チューブを買って終わりです。オヤイデにもあるのですが、マニア向けなのか、長いサイズしかありません。赤白セットだと割高だしサイズも一種類。Amazonで数百円の短めのセットがあったのでそれにしました。
ハンダゴテとハンダは30年前に買った工具セットに入っていたので費用は0。

長々と書きましたが、買ったパーツはたったこれだけです。合計2,000円ちょっと位だったかな?


工作開始!

ケーブルは縄をなうように捻りをつけないとほどけるかな?と思いましたが、この直径のケーブルだとそれなりに硬さがあり、単に左右から引っ張りつつ交互にねじり合わせるだけで、ほどけてくることはありませんでした。超簡単!

このとき、ケーブルの両端でどれとどれが繋がっているか分からなくなるので、あらかじめセロテープでマークしておきました。テスターがあればこんなことはいらないのでしょうけど。


自作の流れ

作業順は以下の通りです。
  1. 6mのケーブルを4等分に切断する。
  2. 2本ずつ縒りあわせてL/R用の2組のツイストペアケーブルを作る。
  3. 両端の被覆を剥く。
  4. あらかじめハンダをつけておく。
  5. コネクタの外側や熱収縮チューブなどケーブルに通しておく。
  6. 3.5mmジャックにはんだ付けする。
  7. HD650用コネクタにはんだ付けする。
  8. 熱収縮チューブを熱してケーブルとコネクタを固定する。

大変だったところ

一番大変だったのは最後のHD650用コネクタへのはんだ付けでした。コネクタ側のピンが中空で、そこにケーブルを差し込んではんだ付けする形になるので、あらかじめ線材にしっかりハンダを染み込ませておかないと、外側からでは半田付けできません。片チャネルだけ接触不良になってしまい、何度か付け直しました。

次に大変だったのは熱収縮チューブ。ちょうどケーブルが通るくらいのサイズを選ばないと(太すぎると)熱して収縮させても隙間ができてしまい意味がありません。すでにコネクタが半田付けされているので、やり直しもできないという、意外に盲点な部分です。

いざ試聴!

ここまでアンプについてだけ書いてきましたが、写真のDACのiFi micro iDAC2(銀色)も、プリアンプ部はクリーンな電源にも配慮したデュアルモノ構成と書いてありましたから、ほぼ全体がデュアルモノということになるでしょうか。


さっそく繋いでみます。おっ!左右のセパレーションが明確になり、楽器の定位がくっきりとなりました。その効果か、一つ一つの楽器の音もより研ぎ澄まされた感じ。ここまで違いが出るとは思わずびっくりです。果たしてバランス駆動アンプを買う必要はあるのかな?と思ったくらい。違いを聴くには、クラシックもいいのですが、電子音が飛び回る音楽が意外とわかりやすかったりします。何でもいいのですが、例えばMinus8のMinuitとか。


11曲めのDo it the Way冒頭、左右に音が振れながら消えていく部分、音が小さくなっても左右に振れているのがはっきりと分かりますが、これまでのO2アンプ1台+標準ケーブルでは、次第に音が消えていくくらいにしか感じていませんでした。うーむデュアルモノ恐るべし。

O2アンプ自体、測定機によるオーディオ特性は高級機種に比べても明らかにいいですし、それをデュアルモノで使っているのですから、音質的にはかなりいいところに行っているのでは?と思います(推測)。残念ながら直接比較できないので分かりませんが、機会があれば試してみたところです。

※オーディオファイル向けの高級ヘッドフォンアンプのViolectric V281よりもJDS Labs O2 AC Poweredの方がクロストーク以外の特性はいいように見えます。値段は20倍くらい違うかな...?

https://www.innerfidelity.com/headphone-amp-measurements


5 件のコメント :

  1. よっちゃん2018年4月21日 6:25

    こんにちは、ゼンハイザーのヘッドホンを調べていたらこのブログに辿り着き6xxのことについて詳しく書かれていたのですごく参考になり私も欲しくなりました。今現在購入する方法はないんでしょうか?よければ教えていただけると嬉しいです! 私が調べた限りでは今回のMassdropでの購入では日本に発送が出来無そうでしたので…その変どうしたのか凄く気になっています

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    1. コメントありがとうございます。なぜかUSオンリーの時とそうでない時があり、今回はUSだけですね。そのような場合、私は転送サービス老舗のスピアネットを使います。使い方と仕組みはざっと書くと以下の通りです。クレジットカードかPaypalアカウントが必要です。

      ①https://www.spearnet-us.com/ から会員登録します。
      ②登録すると会員IDが発行され、それをスピアネットの住所の最後に#xxxxxのように追加することで、私書箱のように扱われます。
      ③この住所(+会員ID)は正式なアメリカの住所なのでMassdropに配送先として登録可能になります。
      ④Massdropから配送の連絡メール(+トラッキングNo.)があったら、スピアネットにログインしてそのトラッキングNo.と品名、価格などを登録します。
      ④スピアネットに品物が到着すると、住所の一部が会員IDになっているので、その会員の日本の住所がわかり、日本に転送してくれます。HD6xxだと手数料は数千円ではないかと思います。
      ⑤日本到着後の通関などの手間もなく普通に宅配便などで届きます。よほど高額の品物でなければ、多少の消費税程度を取られるくらいですむはずです。

      以上ご参考になれば。

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    2. 一点ちょっとだけ追加です。Massdropで必要かどうか忘れましたが、一般にアメリカの通販サイトに住所を登録する時、Billing Addressというのは支払者の住所なので、転送会社の住所ではなく、自分の住んでいる住所(日本)を登録します。Shipping Addressというのが送付先の住所なので、スピアネットなどの転送サービス会社を使うときは、こちらにその住所をいれます。もちろんMassdropで海外配送に対応しているドロップなら、直接日本のアドレスを(英語で)登録します。

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    3. よっちゃん2018年4月23日 19:45

      大変詳しくコメントをいただけて感激です、ありがとうございます!
      参考にしてMassdropで購入してみることにします。今回は大変お手数をおかけしました

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    4. ぜひ挑戦してみてください。欲しいものが色々出てくると思いますので、しっかり自制心を持たないと大変なことに...。

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